1枚の自動販売機の写真

phase3

東京(練馬区)に住んでた頃の話。
その日は急遽雨の降る夜、埼玉県新座市に行かなければいけなくなり、気分が乗らないままバスを乗り継いで向かいました。昨日書いたように何か写真でも撮れればとカメラとストロボを持って。何の変哲もない夜の住宅街を抜けて目的地まで小1時間かけて到着し、用事を済ませ一応ホッとしたので気分を変えて初めて訪れる町を散歩してみました。しかし東京郊外の住宅地というのは、ましてや夜となると写真を撮ろうにもフォトジェニックな風景など何も無く退屈な散歩が続きます。諦めてバス停を探して歩いて行くと、町の一角に突然タイムスリップしたかのような飲み屋が軒を連ねるこじんまりした長屋がありました。(しかもそこに目的のバス停がありました) もちろんお店はもう営業しておらず廃墟のようになっていて、倒れたまま放置された自動販売機が異様な存在感を放っていました。すかさずカメラを向けて薄暗がりの中目測でピントを合わせストロボをセットして撮りました。そしてこの1枚の自動販売機の写真が撮れたことでその日の僕の憂鬱な気分は一気に吹っ飛んだのです。